うららかたいむ。
前略 - 「一年に一度だけ、七月七日の夜だけ、彦星と会ってもよろしい」 それから、一年に一度会える日だけを楽しみにして、織姫は毎日、一生懸命に機を織りました。天の川の向こうの彦星も、天の牛を飼う仕事に精を出しました。そして、待ちに待った七月七日の夜、織姫は天の川を渡って、彦星の所へ会いに行きます。
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七夕の有名な話だ。そんな日に俺は生まれたらしい。
それだからと言ってはなんだが、たまたま空を見つめていた。
そこに一筋の流れ星が見えたんだ。
いや、流れ星なのか…?こっちに向かってくる…?
「…なんだ、あれは?!」
「うおおおおおお!!!避けてくれ遊星ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
そうして空から羽を広げて降ってきた人―、俺が過去に行った際に一緒にデュエルをした、俺のあこがれの赤いデュエリスト、遊城十代さん、それが流れ星の正体だった。
…そして避ける間もなく、共倒れした。
「いってて…。っは、ごめん遊星!下敷きにしちまった…!」
「あ…、いえ、大丈夫です。」
「いや、たまたま通りがかったから来たんだけど…、制御ミスっちまった。あはは…。」
「それってミスするものなんですか…?」
「あー…おなかすいてたら…落ちた…。」
「…なにか食べますか?」
「お願いします…。」
そうしてなぜか誕生日に俺のもとにやってきたその人にご飯を振る舞うことになったのだった。
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「そういえばさ、なんで遊星は空を見上げてたんだ?」
「いや、まぁなんとなくなんですけど…。誕生日だからですかね。」
「は?!遊星ってば今日誕生日なのか?!!!!」
「はい。…どうしたんですか?そんな豆鉄砲を食らったような顔をして…。」
「いや、そうだったら腹減ってるけど俺が作ったのに…!誕生日のやつに作らせちまった…!」
そういってあたまを抱える十代さんにひたすら大丈夫です、気にしてないですから。と声をかけ続けた。
そして心のなかでつぶやいた。
『あなたが来てくれたことが俺にとって最高の誕生日プレゼントですよ。』
そしてお腹をすかせた十代さんにはい、とご飯を渡したのだった。