うららかたいむ。
久々にタイガくんとバーガー屋さんに行った時の話なんだけどね。
ナゲットの箱が大きくてポテトが見えなかった時の話があってさ。
その時の事件のことをぼちぼち日記に書いておこうかなって。
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ある日の話だった。
学校帰りの昼下がり、またタイガくんに誘われていつものバーガー屋さんに行った時の話だ。
彼の手元を見たら、ナゲットとシェイクしか見えなくて、つい聞いてしまう。
「タイガくん?!もしかしてシェイクにナゲット入れるの?!」
「はぁ…?入れねぇよ、ポテトは入れる。ほら。」
そう言いながら僕の目の前でポテトをシェイクに突っ込む。
それを見て奇妙な安堵を感じたのは気のせいだと思いたい。
「そ、そうだよね…、シェ、シェイクにナゲット入れるのかと思ってびびった…うん。」
そうして、タイガくんがポテトをシェイクにいれるのを見る。もはやいつもの光景と化してるから突っ込むこともなくなった。
が、問題はその後だったんだ。
「…いれてみっか。」
「え?」
「ナゲット。」
「…正気?」
そして目の前でシェイクにナゲットを投入してから食べるタイガくん。
ごくり、と息を飲みながら彼の感想を待つ。
「…まっず。」
「そりゃあそうでしょ。」
「…もっかい食べてみる。」
「なんでそうなったの?!なんでそうなったの?!」
僕の脳内は全力で混乱する。まずいって言った後に食べる理由がわからない。僕が目の前で混乱してる中、タイガくんはもう一度そのシェイクに塗れたナゲットを食べる。
「…まずい。」
「なんで2回目たべようとおもったの。」
そこに、たまたまだろう、ヒロさんがコーヒーを飲んでたらしく、たまたま見かけたからきてみた、とか言いつつ近くにやってくる。
「で、タイガは何してるの?これ。」
「…シェイクにポテトを突っ込んでるのはもはやはどうでもいいんです、タイガくん、ナゲット入れはじめて。元凶は僕みたいなんですけど。」
「へー。」
そんな僕とヒロさんを横目に、もう一度やってるタイガくん。なにがしたいのかさっぱりわからない。
「…、塩気があればいけるかもしれない。」
「なにが?!なにが塩気があればいけるのタイガくん!!!!」
「ナゲッシェイ。」
「ナゲシェイ?」
「ッを抜くんじゃねぇよナゲッシェイだ!」
「は、はぁ、ナゲッシェイ…うん…ナゲッシェイ…。」
「なに、タイガの中でシェイクに油っこいもの突っ込むの流行ってたりでもするのかい?もうハンバーガーにシェイクかけてみたらどう?」
「ヒロさん?!」
「…半分にしないと無理そうですね。ネックはピクルスとケチャップですかね。」
「ネックって…ピクルス毎回僕によこすじゃない。」
「…だってあれ食いもんじゃないし。」
「食べ物だよ…。」
「ピクルス苦手なんだ?」
「ミナト先輩には言わないでください…、食わされるんで。」
「ふふっ、了解。そんなに食べたくないのか。」
「…だって、」
「食べ物だよ、タイガくん。」
「ふたりともショートコントができそうな速度で掛け合うんだね。初めて知った。」
「え?」
「は?」
「なに、そのふたりとも心外だ、みたいな顔して。」
そりゃそうですよ、と心の中でいう。僕とタイガくんの調子はいつものこんな感じだからだ。…いつからこうだったのかは覚えてはないんだけど。
そうしてコーヒーを飲み終わったヒロさんに、早めにふたりも帰りなねと声をかけられてふたり残される。
で、タイガくんはというと。
「これ食い終わったら帰るか。」
「…そうだね。もうナゲッシェイしなくていいから。」
「お前もやってみろよ。」
「やらない。」
「ノリわりぃな」
「悪くて結構。」
そんなことを話しながらお互いに片付け終わって、隣に並びながら寮への帰路へとつくのだった。
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…これを書いてるのは実は次の日。
思い出せば出すほどひどい出来事だったなぁ、なんて思いつつ、今日は筆を置こう、なんて思ったのだった。